【REVIEW】dress & SOGUMM『Not My Fault』(2019)
Omega Sapienという韓国のラッパーを知ったことをきっかけに最近は彼が所属している<Balming Tiger>というコレクティブにハマっています。ソウルを拠点とする9人組で自らを"多国籍オルタナK-POPバンド"(バンド?)と称する彼ら、Balming Tiger名義でも数曲シングルも発表しています。Balming Tiger本体とOmega Sapienについてはそれぞれまた別途紹介したいですね。
今作はBalming Tigerのメンバーでプロデューサー兼シンガーのSOGUMMと、韓国の有名プロデューサーのdressの共同名義でのアルバムです。
SOGUMMは韓国のオーディション番組に合格して、なんとパク・ジェボム(Jay Park)率いるAOMGに加入したそうで、本作にもAOMGからJay ParkやWooが参加しています。それだけ聞くとなんだか派手な作品に聞こえますが全体的に非常に落ち着いていてドリーミーなインディR&Bに客演ラッパー達のラップが寄り添うようにフィットしていきます。特別上手とかじゃないんですが味がある彼女の歌声が聴いていて本当に心地の良い作品でした。
客演陣が結構たくさんいるんですがBalming TigerのOmega Sapienも参加しています。彼やっぱかっこいいな。
[MV] dress, sogumm _ I wonder(궁금해) (Feat. Jay Park(박재범))
[온스테이지] Sogumm(of Balming Tiger) - Frog(Feat. Omega Sapien)
【REVIEW】Pisitakun『Absolute C.O.U.P.』(2020)
先日のSUPER DOMMUNE × AVYSS GAZEで自身の所属する<CHINABOT>のキュレーションでリモートライブパフォーマンスを行なったタイのプロデューサーPisitakun。自分は今まで知らなかったですが以前も来日してたみたいですね。
本作はタイで繰り返されるクーデターの歴史にインスパイアされた内容の作品とのことで、リリースはロンドンを拠点としアジアのアーティストの作品を中心にリリースする先述の<CHINABOT>から。
日本でも馴染みの深いタイ北部イサーン地方の伝統的音楽Molamや大衆歌謡曲Luk Thungに加えて、軍の行進曲などにテクノやインダストリアルなビートを組み合わせたサウンドが素晴らしい。
この動画では使ってないですがタイの伝統楽器ケーンなども駆使したライブパフォーマンスもメチャクチャ良かったです。
Pisitakun
ArArMyMy
【REVIEW】RAY『Pink』(2020)
最近はもう何年もライブに足を運ばなくなってしまいましたが、自分はアイドルも曲が好きならば聴いたりするタイプでして。最近久々にアイドルで面白い音源だなと思ってRAYをよく聴いています。
元々「・・・・・・・・・」という正式名称もない(仮にドッツトウキョウとか呼ばれてました)、個人の名前や顔も出さない非常に尖ったアイドルグループがいまして、2019年に解散したんですがどうやら彼女たちはその残党なのか、運営の方が関係者かみたいですね。
・・・・・・・・・は『 』(『』内は半角スペース9個)と『point』という二枚の素晴らしいアルバムを残しましたが、今作にも『 』から「サテライト」と「スライド」という名曲が再録されていました。
音楽としてはシューゲイザー/ドリームポップ、エモ、パンクに加えてエレクトロな要素も非常に強くて、Saint Marie Records辺りで盛り上がっていた比較的若いシューゲイザーバンドの流れとちょうどリンクするような動きなのかなと思います。それを証拠にテキサスのシューゲイザーバンドRingo Deathstarrのメンバーや、日本のFor Tracy Hydeのメンバーが楽曲提供もしていましたね。他には「GENERATION」というUKメロディックっぽい曲が個人的には懐かしい感じがして好きでした。
ライブ映像はパフォーマンスの部分がもう一歩突き抜けて欲しいなという感じがしたので自分がアイドル現場に返り咲くのはまだもう少し先になりそうです。
RAY 1st Oneman Live「birth」ダイジェスト版アーカイブ
【REVIEW】A. G. Cook『Apple』(2020)
これはキタ!ってことで一部では今年の音楽界を代表する作品になるとかならないとか話題のA. G. Cook話題の最新アルバムがリリースされましたね。いやー、マジで内容最高でした。Charli XCXのクリエイティヴ・ディレクターを務め、自身のレーベル〈PC Music〉を主催するA. G. Cookなんですが、先日紹介した100 gecsのアルバム『1000 gecs』からREMIXシングルの第一弾としてもその名を連ねておりました。
今年の8月にリリースされた1stアルバム『7G』は7部構成の49曲入り(2時間39分)という膨大な内容でなかなか聴くのも大変だったんですが、たった一ヶ月後にリリースとなった今作は10曲入りの通常仕様で一先ず安心。
先行で配信されていた「Oh Yeah」という曲がとにかく良い曲で発売前から個人的には非常に楽しみにしていた作品です。
A. G. Cook - Oh Yeah (Official Video)
あとどっかで聴いたことあるなと思ったらOneohtrix Point Neverの「Animals」って曲のカバー曲も収録されてましたね。
所謂Hyper Pop周りのプロデューサーではありますがあまりその辺は感じさせない内容でした。(先行配信で2曲目に激アシッドな曲が来たときは若干焦りましたが…。)
この曲も本当に最高ー。
A. G. Cook - Beautiful Superstar (Official Video)
【REVIEW】Melt Yourself Down『100% Yes』(2020)
多国籍トライバル楽団って響きだけで100点な彼らの4年ぶりのアルバム。
中心人物がボーカルとサックスなだけあってこの手のバンドにしてはリズムよりもメロディに重きが置かれているような気がします。あとはしっかり曲が3分前後のロックなフォーマットにまとまっている点も個人的には評価高いです。
ジャズもパンクもニューウェーブもトライバルもとにかく詰め込んでハイテンションで駆け抜ける約40分間、素敵です。
Melt Yourself Down - Boot And Spleen
Melt Yourself Down - Born In The Manor ft. Shabaka Hutchings
【REVIEW】〜離『幽霊を見た』(2020)
あまり詳しく知らずTLに流れてきたので聴いてみたら非常に最高な音でした。
とにかく言葉のチョイスと音の感覚がどの曲も面白くてあっという間に一枚が終わってしまいますね。「乙宝」という曲が中毒性のある感じでついつい何度も聴いてます。
この〜離という方、詳しく知らないのですが今後の動きにも注目していきたいと思っています。
〜離 - 幽霊を見た EP