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音楽多め

【REVIEW】タージ・マハル旅行団『JULY 15, 1972』(1972)

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タージマハル旅行団は1969年にリーダーの小杉武を中心に結成された前衛的音楽集団で、今でも世界中の熱心な音楽ファンから愛されている存在です。もちろん後追いですが自分ももれなく好きなんですよねこのアルバム。

72年に発表された本作はパリで行われた現代美術展を皮切りにワゴン車に乗って各地で演奏をしながら最終的にインドのタージ・マハルに至るまでの約11カ月間にも及ぶ世界放浪の旅を終えた帰国記念公演として、東京の草月会館ホールで行われたライブを録音したものです。

(こちらの映像はその11カ月間の旅を記録した貴重なドキュメンタリー映像です。)

Taj Mahal Travellers On Tour 1972

 

自由気ままに飛び交う各楽器の音の数々をエコー・マシンを使って細かく音響処理していく、今で言うリアルタイムのダブ処理ですよねこれって。エレクトロニックス・エンジニアの林勤嗣がメンバーとしてクレジットされていたことも大きな意味があったんだと思います。たった3トラックに収められた膨大な情報量にいつ聴いても興奮と感動を覚えます。

余談ですがこの作品のライナーノーツに「タージ・マハル旅行団」と言う名前にはあまり意味がなく「熱海トラヴェラーズ」とか「熱海観光団」という候補もあったと書いてあって、いや普通にそうならなくて良かったなと思いますよね。